マボロシの東京散策2002 #03

第3話 旅立ち前夜は 2002年1月3日木曜日

さて、年を越した。あけましておめでとう。
明日が東京へ向けて出発の日であった。なんだか新鮮な気持である。
東京の冬、そして正月気分を味わうのは初めてだったのである。
別にナニガ、ドー変わるものでもないだろうが、とにかく新鮮な気分が感じられそーな予感が楽しい感じ?だ、そーだ。

昼過ぎに団長から連絡が入った。
タカサカはとにかく声を張った。元気よく。

なにか必要なものは何だろうか?ということだ。
タカサカも東京観光ガイドは買ったのだが、小さな東京地図が欲しいものだとは考えていた。
よし、買いにゆきましょう!ということになった。
タカサカの初買いである。メデタイ。

帯広駅近くの長崎屋はほどほどの活気をていしていた。ちなみに、1月1日より初売りという習慣は2001年より帯広では一般化した。小売り屋さんはほんと大変である。

地図を買う。
で、あるからして本屋へむかった。
いろいろと種類が出ている。タカサカはメガネっこなので、小さな文字は読みたくない。イイカンジのものを物色した。

さて、3点に絞られた。
文字の大きさは、ほぼ同じぐらいだ。あとは、配色の具合と値段である。

そして、2点に絞られた。一つは700円。もう一つは1200円である。
タカサカは悩んだ。

団長は「アホか!」と言った。
なぜならタカサカのサイフにはたくさんのお金が入っているからだ。お年玉をもらったわけではない。団長がくれたのだ。
イヤ、正しくはタカサカが立て替えた旅行代金を全納してくれていたのだ。
そんなにカネがあるのに、何をそんなにナヤム必要があろうか?とうことだ。確かにそのとーりだ。

タカサカは1200円の人文社発売のものを手に入れた。満足だ。初買いオメデトウ。

途中、100円ショップの前を通った。
団長が目ざとく東京地図を発見した。
ナカナカよくできている。文字の大きさもいい。どこかしらさっきタカサカが買ったものと似た感じだ。厚さも同じぐらいだ。イクラだ?
そーだ、ここはヒャクエンショップだ。100円である。
団長はW.A.Rの分も合わせて、2冊買った。200円だ。消費税を入れて210円を支払った。
少し悲しかったのはタカサカだ。

白黒の「写ルンです」が欲しいと思ったのはタカサカだ。
店先にはなかった。お店の人に聞いてみた。ナイという。ホンコンの原色のタイガーバームガーデンを激写した名器がすでに過去のものになっていることに少し悲しかったのはタカサカだ。
(注 かつてVAGA+VONZが香港旅行した際に、いまはなき観光名所タイガーバームガーデンで写真撮影をしたのだが、帰国してみるとモノクロの「写ルンです」で撮影していたことが判明し、あの色彩豊かな造形で有名な場所での楽しい記録を白黒で残す結果となった。それ以来、色彩豊かな場所をモノクロの「写ルンです」で撮影することに執念を燃やしている、半分意地で)

カバンが欲しいと団長が言った。
カバン売り場で2人は笑った。はたして旅行カバンとは何ぞや?ってな感じでおかしかったのだ。

出張にも使えるじゃん!っていったって出張?

そんなこんなで絞られた。
開けてみては笑った。ここには何が入る、アレが入ると笑った。

団長は断を下して、気にいったのを購入した。二三日の出張?にはぴったりだと思われた。

明日は出発だねえ、と早々と家路についた。

午後2時の便とはいえ、寝坊は厳禁である。寝よう寝よう。

午前4時ぐらいだろうか?タカサカのケータイがぶるぶる震えた。
W.A.Rからだった。(注 W.A.RとはVAGA+VONZのメンバーで今回の東京旅行の参加者)

「ちゃんと寝てるかな?と思って」

イヤイヤ、寝てたから。

「起きてるじゃん!」

イヤイヤ、起こされたんだから。

「ちゃんと寝ろよ!」

う、うん。オヤスミ。

こっちのセリフであった。さあ、旅立ちの日である。

続き
#02