20話 そして、新宿都庁360度のマーチ 2002年1月5日土曜日
フラフラ。
タカサカと団長は確かに秋葉原から上野池袋方面から新宿に戻ったハズなのだ。
さて、記憶がないぞ?
ほんとに記憶がない。
新宿駅に到着した映像も思い浮かばないからドーしたものか。
団長の記憶をたどると、二人は新宿ルミネの『GAP』に入ったようだ。
そー言われると、そーんな感じがする。
団長が、手袋が欲しいと言ったからだ。
いいのはなかった。人はイッパイいた。
近くには『ビームス』のビルもあったので、とりあえず入ってみた。
人がイッパイだった。
なんか疲れていたので、なにを見たのかまるで残っていない。
新宿は夜をむかえ、輝きを増す時間。
二人は別に輝きの中に特別ナニカ? を求めている訳でもなく、今日の活動時間の終了が近かった。
(注 結局、我々は新宿鮫にはなれなかった…)
二人はホテルに向かう。
たぶん。向かったのだろう。
しかし、二人はいつしか新宿都庁へと向かっていたのだ。
不思議だ。ナゾだ。
東京の夜景を一目ヒトミに焼きつけたい一心に歩いた。ウソウソ。
ドーいった道順で歩いたのか記憶にないが、官庁街の寒々しい光景は中性子爆弾のキラメキの跡のよう。
今、考えたんだけど。
たぶん、開いている! という不確かな情報を元に、タカサカと団長は入り口を探した。
都庁も広い。入り口もたくさんだ。
中央の扉は閉鎖。コッチに回れ! という紙の指示に従いグルリと巡ると、ソコにも指令が。なので、ソッチに回ると階段を降りろ! という指示。
あーソーですか、といって降りると、あーあったあった。
良かった、開いていた。
数名の人達が都庁へと入場していく。
二人もあとに続いた。
高速のエレベータは音もなく上り詰め、展望台に到着。
1991年(平成3年)に完成。
東京にそびえ立つツインタワーは当時、『バブルの塔』とさんざんに言われた。
建築家の丹下健三は一切を語らず、10年を経て、最近やっと完成時のコトを語るようになった。
確かに、建物からくるパワーは異様なもので、世紀末に相応しいアヤシイ雰囲気一杯である。
本人にはそんな意識は全くなかったよーですけどね。
正月の東京の夜景。
展望台にはチラホラとはお客さんがいたが、のんびりとした時間の中にいた。
団長とタカサカはゆっくりと一周した。
はたして、デジカメにはどんな映像が取り込まれたのか。
展望台は朝9時30分から夜9時30分まで。