2008年5月2日(金)〜5月6日(火)
会場:とかちプラザ アトリウム
様々な場所で展開してきた「雪と風の器」
今回、縁ありまして「帯広市民芸術祭」の一環として展開する機会を得ました。
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『ゆきのひろば』
「北海道」の代表的なイメージのひとつに「雪」がありますが、その感覚も実際に降る雪の質も各地各所の温度や湿度の関係で様々です。例えば、十勝 •帯広では、さらりと乾いた雪が降ることが多いですし、連日降り続くことも極めてまれです。雪の降った次の日に晴れ渡る青空も印象的です。
「雪は天から送られた手紙である」
雪の結晶の研究で知られる故中谷宇吉郎博士の言葉です。
冬の空から届く手紙である「雪」に対して、私たちは天空へ向け「雪の結晶」を返事として作ります。何枚も何枚も作り続けていくと、空想はふくらみ、今自ら切っているはずの結晶は空から届いたばかりの「手紙」なのではないか?とさへ思えてきます。ハサミで切り込みを入れた紙片を広げるとき、思わぬ表情にいつも驚かされます。まさに十人十色、千差万別、一期一会です。
今回展示に用いた紙の「雪の結晶」は「2006年おびひろ歩行者天国」で展開した「なつのゆき」の時に道ゆく参加者と共に作ったもの、2008年に札幌で展示した際に観覧者と共に作ったもの、そして折りあるごとに展開したワークショップで作ったものが含まれています。
出来上がった「結晶」に作った人の名前は書かないのですか?という問いに、初めはなるほどそれもそうだなと思ったのですが、自然に舞い降る、誰のためにでもなくただただ美しい『雪の結晶』に準じていますとおこたえしています。
厳冬期には感じることの出来ない『雪』の風情が深まるとうれしいです。
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本展は、
『田園都市のコンテンポラリーアート雪と風の器2008 市民芸術祭』
の一環として開催されました。