めくるめくラジオの世界 023
2011年7月24日よりアナログ放送が打ち切られ、デジタル放送へと移行しました。それに先立ち新しい薄型テレビを購入した方が多かったと思います。
地デジはすごい!なんとも鮮やかでその細部までよく見えます。視力が落ちているのに検査をするまで気が付かずに過ごし、メガネを掛けて黒板を見た時の感動に似ていました。
もう、アナログには戻れません。
ところがFLOWMOTIONのお客さんにはデジタル放送をきっかけにラジオ生活を始めた方も多いようです。その話を聞いているうちにラジオを聞いてみようと思い立ちました。
私はラジオっ子ではありませんでした。 クラスの女の子たちがラジオから流れてくる音楽、特に当時のアイドルたちの歌謡曲に夢中になっている時も、その狂喜乱舞する姿をポカンと眺めていました。
私とラジオの接点はカーラジオから勝手に流れてくるのを聞くとも無く聞いている程度でした。地元FM局にあわせて帯広周辺の情報を聞くことが多いです。
最初のうちは、自宅にあった防水機能付きのシャワーラジオを持ち出し、湯船に浸かっている時間や寝る前の30分程度つけてみました。
聞き慣れていないせいか、面白いのかどうかもわからず、とりあえずニュースでも聞こうと思い、午前0時になる前のNHK第一放送をつけました。
天気予報は全国版なのでざっくりとしていて、明日の朝の気温などはわかりません。北海道の予報も注意していないと聞き逃してしまいます。 テレビなら一目瞭然なのになあと思ってしまいます。
いよいよ0時に近づいてきた時 チャリラリラン チャリラリラン~♪
「明日の日の出の時刻です。 札幌7時○分、仙台6時○○分、・・・。」
おお!日の出の時間を教えてくれるんだ。おもしろい!
やっとツボにはまりました。
連日それを聞くために11時50分ころにはラジオの前にいるようになりました。
そして、クリスマスころの放送を聞いていると、全国の日の出の時刻を伝え終えたアナウンサーがこう言いました。
「冬至は過ぎましたが、これから1月中旬頃まで日の出の時刻は遅くなっていきます。 では午前0時です」 プ‥プ‥プ‥プーン。
えーーーー!! どういうこと? 冬至を過ぎれば日中の時間は長くなるはずなのに。 当然日の出の時間が早くなり、日の入りの時間が遅くなると思っていました。
これには地球の自転と公転と地軸の傾きなどの要素が複雑に絡み合い・・・。 うう。
考えないことにしました。
新聞などで確認すると本当に、冬至を過ぎても日の出の時間は遅くなって行きました。
そのかわり、日没の時間が遅くなり、「日が長くなったね~」と実感できるのでした。
1月中旬には「今日から日の出の時間が早くなっていきます」と放送され、安心しました。
そんな発見をラジオ生活者のお客さんと話していた時のこと、楽しいラジオドラマがあるというではありませんか。
早速聞いてみました。
ラジオなので、視覚情報はありません。全て、出演者のセリフと、ナレーションと、効果音からの想像です。 音だけの世界なのに、私の頭の中では、登場人物の姿や場面の映像が見えてきます。 予想外の展開に「えー!」とラジオに向かって声を上げてしまうこともしばしばです。 この前なんか、カレーの匂いもしました。 目に見えないから、余計にその世界に入り込みやすくなるのでしょうか。 ラジオドラマの時間は、一言一句聞き逃すまいとラジオにかじりついています。
そしてFLOWMOTIONで、あーでもないこーでもないとその続きについて予想したり、声マネをしてみたり・・・。 テレビにはない魅力がこんなにいっぱいあったとは!
最近は、若者向けの番組で、中高生が電話で相談する勉強や部活や恋愛などの悩みを「若いなあ~」と、ほくそ笑みながら聞いています。
ひとつ、時代が変わったなあと思うところは、生放送中にすぐにリスナーからメールが来ることでしょうか。 テレビが鮮明に映しだす傍ら、ラジオはそのスピードを上げていました。 私はまだついていけてません。
2012年4月 FLOWMOTIONカフェ担当 つかこしちひろ