マボロシの東京散策2002 #11

第11話 さようならW.A.R! 2002年1月5日土曜日

あたたかい東京が寒くなってしまった。
出かけから曇り空だったのだが、ここにきて雪が風に舞う。その風が冷たかった。

W.A.Rはすでに途中にみつけたコジンマリとした地下のCDショップに向かっている様子。
そこでも、W.A.Rはさっそくナニか?を発見、購入していた。はや技である。

雪の降りは、あたたかいゆえに雨へと変わった。
カサが必要だ。
けれど、誰もカサの持ち合わせはない。
ドコかでカサを!! 3人は思った。
しかし、こんなシブヤという何でもある大都会で、3人はカサをドコで買ったらよいのかすら分らなくなってしまっていた。うむ、実に不思議だ。何をそんなに悩むことがあるというのか?

3人は濡れて駅へと向かった。やみそーなのだ。けれど、冷たいのだ。
信号の前でW.A.Rが別れを告げてきた。

「オレはディスクヘブンへ行くよ!!」

そう、こんな感じだったはず。
ここで、タカサカと団長はW.A.Rと別れることとなった。
渋谷の駅に大量の人と共にW.A.Rは消えていった。
W.A.Rにはぜひとも単独行動顛末記を書き残してもらいたい。果たしてW.A.Rの身にナニガ??

タカサカと団長は『岡本太郎記念館』があるであろう方向へと歩み続けた。
しかし、冷たい。寒い。雨はほんの少しだ。けれど濡れる。

宮益坂商店街。たぶん。
商店街へと突入する交差点のヨドバシカメラに、2人は助けられた。
カサが入り口付近で販売されていたのだ。
団長は1本でいいと言った。
聞くと1本100円だと言う。安いではないか。タカサカは2本購入した。安いビニールのカサだ。しかし、ありがたいではないか。
ありがとう! ほんとうにありがとうバシカメ!!!

助けてくれたカサは、このノチ、かなりなお荷物へと変貌する。

なだらかな坂をツラツラを歩く。
渋谷郵便局を越えていくと、青山こどもの城が見えてきた。チューリップのカタチの窓がかわいい。
お母さんに連れられた子供たちが、ワラワラと劇場へと入っていく。
なにかしら子供ミュージカルでもしているのでしょう。確認セズ。

お城には似つかわしくないオジさんがよってきた。

「ケンアルカ?ケンカウヨ!」

ダフ屋であった。

こどもの城の前庭には岡本太郎の作品がある。子供の樹。
タカサカは団長のデジカメにほほえんだ。

さあ、記念館も近いはずだ。
ズンズンと歩いた。少し元気が出た。

ABCのカンバンが目に入った。
そーだ、青山ブックセンターの本店がこの辺に?

2人は青山ブックセンターへと向かった。

続き
#10