2006年2月8日(水)〜2月20日(月)
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変形にんじん」の中には造形的に非常に面白いものがたくさんある。
しかし、そのほとんどは、畑から引っこ抜かれて間もなく
その場で捨てられてしまう。
人の目に触れることなく土に還ってゆくはかない人生である。
「変形」とはいえ、自然が作り出した
「自然なかたち」である。
その「自然なかたち」はそのままに、
ガラス素材となって「変形にんじん」たちがこの空間に甦る。
十勝の広大な畑では「とうきび・豆類・じゃがいも・大根」など
比較的変形が少ない作物や「ビート、小麦、蕎麦」などの加工品の
原材料の作物が多い。従って、その場で廃棄する量は少ないはずである。
それに対して、にんじんの廃棄量は豊作不作にかかわらず、
毎年、桁はずれに多い。豊作の年は最悪で、
畑にオレンジ色の山が出現する。
Glass Carrot lnstallation のシリーズは身近に広大なにんじん畑が
あるからこそ生まれた作品である。にんじんの産地である南冨良野町の
にんじん畑から採取した「変形にんじん」を原型に、パート・ド・ヴェール
技法(石膏型の中にガラスの粒を充填し電気炉で焼成する)で制作。
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本展は
『田園都市のコンテンポラリーアート雪と風の器 2005-2006』
Field of Art : Tokachi 「在るべき場所へ」
の一環として開催されました。
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「odd carrot」は変形にんじん。
ガラスで作られたにんじんのインスタレーション。