吉田嘉明・髙坂長吉 展
『源氏と弥勒』〜復元模写と木彫〜
2011年3月24日(木)〜3月29日(火)
午前10時〜午後6時 *最終日午後4時まで
会場:帯広市民ギャラリーAの1(JR帯広駅地下)
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●ごあいさつ 吉田嘉明●
私が育った家の床の間には、季節ごとに掛け軸が掛け替えられていました。
その掛け軸を見るたび、子供心に日本画とは素晴らしいものだと感じていました。
中学時代、油絵を描きながらも日本画の著名な図版に接する機会も多く、ますます日本画に惹かれていきましたが、日本画を描くには長い徒弟生活で基 本的な技術を練磨しなければ描くことは出来ないものだと諦めていました。
それから三十年ほど経ったある日、たまたま本屋でNHK日本画講座のテキストを発見し、私でも描けそうな気がしてきました。その本には講師が主催 している日本画教室の生徒が描いたという「源氏物語絵巻・柏木」の模写が載っていました。素晴らしい模写に感心するとともに、源氏物語とその絵巻 に惹かれ、私も絵巻の模写を試みたいと考えるようになりました。
長年の教職生活を退職し、ゆとりを得ることができた平成十五年、NHK文化講座・日本画講座で坂本紀子先生に指導を受けてから、爾来、九年間。様 々な資料を集め、いろいろな試行錯誤を続け、幾度となく書き直しながら平成二十二年、漸く十九枚の復元模写を完成させることができました。
しかし、形を真似ることはできても原作に漂う典雅な気品を表現することはできず誠に不本意なものですが、ご覧の上、御助言御叱声を賜りますように お願い申し上げます。
尚、平成十一年から六年をかけ、林功、宮崎いず美、富沢千沙子、加藤純子、馬場弥生の五氏による復元模写が完成。この模写を大いに参考にさせてい ただきました。
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●吉田嘉明:
昭和2年、清水町生まれ。
帯広農業専門学校獣医畜産科(現帯広畜産大学畜産学部)卒
北海学園北見大学教授(昭和62年〜平成9年)
帯広在住
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●ごあいさつにかえて●
建具業の仕事を一段落させた父は、
いつの頃からか「仏の面」を彫るようになりました。
お手本となったのは広隆寺の弥勒菩薩。
同じお顔を元に全ての面が作られているのですが、
それぞれに様々な個性が宿りました。
なんだか、とても不思議です。
父が、ただただ突き動かされて彫り上げた面。
2006年に一度発表の機会を持ちましたが、
また改めて帯広市民ギャラリーで展示出来ることを大変誇らしく感じます。
2011年 春 高坂光尚
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●高坂長吉:
昭和4年生まれ。
北見を経て帯広尋常小学校入学卒業
戦後、建具業を営む
帯広在住
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2010.01月『平成22年 高坂長吉展 寅*山』
2009.01月『高坂長吉 木彫展 平成21年丑年』
2006.04月『かんのんさま 高坂長吉木彫展』