FLOWMOTIONとインスタレーションのこと

2006年5月16日

タカサカはここ数年で何度か「展示」という試みをしてきました。
初めての展示が「PROJECT GURU×GURU EARLY SUMMER 2002」展です。
まったく初めてのことでしたので、ノリは間違いなく悪ノリでした。
いわゆる個展とよばれている形態をマネしてやってみたい!という欲求から始まりました。
作家プロフィールというのももっともらしく見ようみまねで制作しました。見事な出来栄でとても笑えました。
きっかけはフザケ半分でしたが、自ら作成した「ぐるぐる模様」を多くの皆さまに見ていただきたいという気持は本当でした。
2002年の展示は、友人であるスズキの力を得て、特大ポスターの出力も叶い、良い展示になったとは思うのですが、ただただ「ぐるぐる模様」を壁面に張り付けたというものでした。
インスタレーションという言葉を知って、意識し、そして自分の中にストンと落ち着くまでには時間が必要でした。
2002年にタカサカは地元帯広で開催された「とかち国際現代アート展デメーテル」でボランティア・スタッフをしていました。
混乱の作品作成時期や穏やかな会期中にはあまり意識しなかったのですが、会期終了後の撤収時にインスタレーションという意味合いがそこはかとなく、ひたひたと押し寄せてきたのでした。
今、目の前に現実のモノとしてあるものがなくなっていく。自分もお手伝いして展開された作品が、また自分の手で撤収されていく。現状復帰のために総べてが元に戻っていく。
仮設展示の宿命なのですがその清清しいまでの刹那さ。作って壊していく流れ。後に残るのは記憶と記録。語り継ぐというとても不確かなものに託す祈りにも似た物体のともなわない何か。
とても不安定な感情なのですが、それがインスタレーションの鮮烈でコントラストのはっきりした印象を多くの人に植え付ける何かなのかもしれないと感じました。
タカサカも初個展のあと、幾度かの展示の中で、「場」を考えるようになりました。
作品自体も空間を意識して作成するような感覚になっていき、同じ作品でも配置する場所、照明の案配で見え方が違っていくのだなぁ、と思えるようになっていきました。
ある一定期間を経てなくなってしまう空間。自ら作成した作品は手許に残るのですが、展示空間全体の印象はなに一つ残らない事実。記録として残す画像の中に果たしてどのくらいの気持、意識、時間を閉じ込めることが出来るのか。
展示空間に身をおいた雰囲気は再現不可能となるのがインスタレーションというもののようです。
2003年7月4日にリオープンしたカフェとギャラリーのあるFLOWMOTIONは諸事情により2006年5月8日に閉店いたしました。2002年10月10日に帯広広小路商店街ゲートで開業し、移動。次ぎのお店は3番目のお店になります。
タカサカは引っ越しをしながらFLOWMOTIONとインスタレーションのことを考えていました。
スズキが以前制作した「流動」と太字書きされたポスターが頭の中を巡ります。
まさしくFLOWMOTIONの言葉通りに浮かび、流れ、動きます。
一時期お店が存在し移動してゆく。
振り返ってみると期間限定であったことにタカサカ自身も驚いているのですが、考えてみると何ごとにおいても「限定」なのだなと思う今日この頃。
「人生、インスタレーション」
そんなフレーズに行きついたフローモーションセカンドステージ終了後のタカサカです。