「続けていくこと」 002
FLOWMOTIONが7月4日で5周年を迎えました。
あれは2003年7月4日、今は○ラッゾ・ビッ○の駐車場と化しているあの場所で私のカフェ人生が始まりました。
当時私はガーデニングセレブ系のステキな雑貨店で働いておりました。本当はお気に入りのカフェで働いてみたかったのですが、何の経験もない私を雇ってくれそうなカフェはファストフード系のみでした。
「いつか喫茶店を開きたい」という私が求めたものは、ポテトの揚げ方ではなく、おいしいコーヒーの淹れ方でした。
それまで「いらっしゃいませ」という日本語を使用したことのない私は、ガーデニングセレブ雑貨店において他にも「お客さま」「素敵♪」という日本語を学びました。
さらに、紅茶の試飲を出していたため、紅茶の本当のおいしさに触れることもできたのです。さすがセレブ系!しかし、肝心のコーヒーはといえば時々自宅でポット代わりに急須を使い、何となく淹れていました。(口が細いので代わりにするにはちょうど良いのです。でも、湯が勢いよく出るので周りが水浸しになります)
そんな悶々としているときにやっと巡り会えたのです。おいしいコーヒーのお店。それは自家焙煎コーヒーを売る店で、なんと、お客さんの注文を受けてから焼くというのです。グラウンドをならす円柱状の車輪を思わせるような物が中央についた、意外と小ぶりな機械にコーヒー豆を投入し、30~40分で焼きあがるというのです。香ばしい匂いがあたりに漂っている間、奥様が他の銘柄のコーヒーを淹れてくれるのです。なんと香りの良い、爽やかなあと味!初めてコーヒーにもいろんな味があるのだと知りました。
そしていざ、FLOWMOTIONを開店することになり、セレブ系雑貨店を辞めて準備にとりかかりました。コーヒーの淹れ方はあの奥様に習おう!
事情を話すと快く教えてくださいました。ありがたいことです。
「これをこうして、あーやってね」 「ふむふむ・・・」 「いろいろやってみたけどこの淹れ方が今のところ一番おいしいと思っているだけだから、あなたの淹れ方でいいのよ」
小心者の私は本に「これはご法度!」と書かれているようなことは絶対にやりたくないので冒険はせず、奥様と本に忠実にコーヒーを淹れてきました。
オープン当初は一つ一つの動きがぎこちなく、お客様にコーヒーを運ぶにもカチャカチャと音が出てしまうほど手が震えていました。
あれから5年が経ちました。オープンの少し前に紹介していただいた茂木さんにコーヒー豆をお願いしています。やはり煎りたてにこだわりました。コーヒーにいろんな味があるという感動を分かち合いたいと思ったからです。
5年も経てば私なりにおいしくコーヒーを淹れられるようになっているのでしょうか。
とは言ってもまだ5年。茂木さんが焼くコーヒー豆がおいしいから、いつ飲んでもおいしいのでしょう。
今でも雑誌のコーヒー特集を読んでみては、自分のコーヒーの淹れ方は大丈夫なのかと確認をします。微妙に違っていたりすると不安になります。他の本を見るとまた微妙に違っています。 うーん・・・。
そのうち「おいしくな~れ。おいしくな~れ」と淹れるようにしました。
最後は『気持ち』 ですかね。
このコラム欄も「月イチ」なんて名前にしてみました。月1回は何か書くぞ!という私の意気込みでもあります。
続けていけばいつか「何か」になる・・・。何にもならないかもしれませんが、コーヒーの淹れ方のようにきっと少しずつ成長している自分が見えてくるのかもしれません。(歳をとっていくだけのような気もしますが)
FLOWMOTIONとみなさまとのステキな繋がりがこれからも続いていくことを願っています。
2008年7月
FLOWMOTIONカフェ担当 つかこしちひろ