「星をながめる 」 005
空が高くなり、空気が澄んで、夜空を見上げると星がキラキラと輝き始めました。
天体観測グッズが本屋さんに出回るのは夏なのですが、私は秋から雪が積もる前までのこの時期が、天体観測に一番良い季節だと思っています。
空が真っ暗で、本当に星が良く見えます。
星がまたたくのは、地球の空気の流れが星の光を妨げているからだそうです。
そんなこと言われたら星を見上げる気持ちが冷めてしまいそうです。
が、「空気が光をゆがめている(!?)」と言うことに不思議を感じます。
星を眺めれば眺めるほど、不思議がいっぱいあります。
空に輝いている星は、太陽のように自分で燃えている星(恒星)です。
ひどく遠いところにあるため、何千年も、何万年もかけて光が届いています。
ということは、今見えている星はこの何万年かの間に、無くなっているかもしれないのです。もしかしたら、この何千年かの間に新しく生まれていて、まだ地球に光が届いていない星もあるかもしれないのです。
星は、見上げるといつもそこにありますが、それが今現在の姿ではないのかもしれないのです。
・・・不思議です。
それに、輝いている星は太陽のような星です。と言うことは、地球や火星や木星のように、惑星がその周りを回っている可能性が高いのです。
輝いている一つ一つの星にそれぞれいくつかの惑星があったとしたら、見えている星と星の間に、見えない星がその何十倍もある・・・。
想像してしまいました。 夜空にギッシリと星が詰まっている状態を。
ぎゃー! 私は、狭いところに小さなものがギューっと詰まって整列している状態を見るとゾッとします。 アクリルの透明な箱に入れられて、外に出ようとしているミツバチの大群とか・・・。ひィー! またゾッとします。
でも、実際は星で埋め尽くされてはいません。
・・・不思議です。
それほど宇宙は広く大きいのです。
晴れた夜、街灯の少ない場所で空を見上げてみてください。
真上を見ると、十字に並んだ明るい星が見えます。
白鳥座です。白鳥が大きく翼を広げた状態ですが、あまりの大きさに驚きます。住宅街などでも意外とすぐに見つかります。
実は白鳥座は、天の川の中にあります。天の川は銀河の中心で、小さな星がたくさん集まっているので川のように見えるのです。光の弱い小さな星が多いために、明るい場所では見えにくいことがあります。街から離れた暗い場所で、天の川を渡る大きな白鳥を見てみてください。壮大です。
白鳥座から少し離れたところに、ちょっといびつな四角形が見えます。その四辺形はペガスス座です。羽を持った馬、天馬をかたどっています。これも明るい星なので見つけやすい星座です。秋の夜長。暖かい服装で星を見るという楽しみをひとつ、増やしてみませんか?
古代ギリシア神話の時代から変わらずそこにある星たちですが、あと数千年後には十字や四辺形ではないかもしれないのです。白鳥座やペガスス座を見られるのは今だけなのですよ。ありがたいですね。
そして、じっと目を凝らすと、恒星の近くに惑星が見える「かも」しれません。
・・・無理か。
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2008年10月
FLOWMOTIONカフェ担当 つかこしちひろ